初期臨床研修

理念

すべては患者と地域のために、最善の医療を究める医師を育成する

基本方針

  1. 患者さま・社会のニーズを認識し、あらゆる病気に対応できるプライマリケアの診断能力 (態度、技術、知識) とチーム医療を身につけ、医師としての人格を涵養(かんよう)する。
  2. 全職員が臨床研修の意義と到達目標を理解し、研修医主体 の研修教育環境を整備し、研修医とともに人格の涵養を目指す。

魅力ある研修プログラムを構成


of the resident, by the resident, for the resident.


大原綜合病院の研修プログラムは、「研修医の研修医による研修医のための研修プログラム」です。
現状の研修プログラムに満足することなく、常に研修医の意見を取り入れながら、魅力的な最新プログラムの構成に注力しています。
指導医が一方的に教育するのではなく、研修医の声を率直に聞き入れ、研修医と共に指導医も医療の原点に戻ることで、臨床現場で広く社会に貢献できる医師育成の研修プログラムを研修医と共につくり続けてまいります。
また、医師をはじめ全職種の医療スタッフが、多方面から研修プログラムをサポートしています。

情報公開

医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令の施行(令和2年3月30日付医政発0330第40号)に基づき、年次報告等の様式10を公表しています。

年次報告書、研修プログラム変更・新設届出書

プログラムの特徴

大原綜合病院の臨床研修の3本柱

当院の臨床研修プログラムは、きめ細やかな指導医による指導体制のもと、3つの重点項目を研修することで、 プライマリ・ケアの診断能力を確実に修得し、医師としての基本要素を身につけることができる。

研修医主体の研修

当院では、研修医に充分な症例数・種類を経験させることでプライマリケアの診断能力を身につけることを目的とし、救急外来でのCommon diseaseな症例をはじめ、とにかく多くの患者と多くの時間を触れ合うことを重視し、入院患者の受持ち、診断・検査から治療方針の選択と、外来診療等を含む、より実践的な臨床の場での研修を行うことで、全人的な医療を実施し、医師としての責任感・医療人としての心得を学ぶことを最大の目的としている。

救急医療

当院の救急医療は、福島県県北地方の二次救急指定病院として屈指の救急患者を受入れており、新生児から高齢者、軽症・交通外傷からCPA等、市中病院でこそ経験可能なcommon diseaseの豊富な症例が経験できる。2年間の初期研修期間中において通年で実施し、かつ救急医療の最前線で研修医主体となって対応することで、研修修了までには救急疾患に充分に対応できる臨床能力とコンサルテーション能力を身につけることができる。

充実した教育行事

当院では、研修医が自己研鑽するためのカンファランスが充実しており、共通教育行事への参加は最優先で実施される。中でも特記すべきカンファランスは3つあり、救急で最低限必要とされる知識・手技をテーマとした「レジデントレクチャー」、研修医が実際に経験した症例をもとに鑑別診断の検討を行う「救急症例検討会」、臨床診断のつかなかった症例について検討する「CPC」(臨床病理カンファランス)は研修医に加えて指導医、コメディカル、看護部も参加し開催されている。


当院の臨床研修プログラムは、
厚生労働省の推奨する基本理念「医師が医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付ける」に加えて、
当院初期臨床研修理念「すべては患者と地域のために、最善の医療を究める医師を育成する」にのっとった研修プログラムによる、救急医療、プライマリ修得、充実した研修医カンファランス、 手厚い指導体制により「医師としての人格育成」や「全人的医療の実践」を可能としている。

当院の臨床研修に係る「基本構想」

プログラムの概要

プログラムの名称

一般財団法人大原記念財団大原綜合病院 臨床研修プログラム(030074505)

研修理念

医療の社会的ニーズを認識し、頻繁に出会う病気に対応できるプライマリ・ケアの診断能力 (態度・技術・知識)を身に付け、患者の痛みを共有できる医師としての人格を養います。

研修期間と研修方法

2年間 / 総合診療方式(スーパーローテート)

研修概要

当院では、研修医に臨床現場で十分な症例数・種類を経験させることで、プライマリケアの診断能力が身につけられる研修を行っています。
新患外来では鑑別診断、入院患者では受け持ち担当しての回診、検査や治療方針を選択する等、実際の臨床現場にて多くの患者さまと多くの時間触れ合うことで、患者さまの痛みを共有できる医療人としての人格を養い、医師としての責任感・医療人としての心得を学ぶことができます。
あわせて、各診療科の医師が、診療にあたり必要不可欠なテーマで講義を行う「レジデントレクチャー」を週1回開催しています。座学が中心ではありますが、時にはAED訓練人形での救急蘇生、縫合モデル等での創傷処置や縫合法など、実践的な手技も学べます。
その他、研修医の自己研鑽につながる教育行事を数多く設け、優先して参加できる体制を整えています。

管理運営

研修プログラムの管理運営は、院内医師を中心に他職種責任者、県内全域の医療機関責任者や有識者で構成される「臨床研修管理委員会」が統括しています。委員会は年3回開催し、研修計画や研修評価、プログラムの見直し等を行っています。
また、各指導責任者等による下部組織「臨床研修・学生教育作業部会」を2ヵ月に1回程度開催し、研修医が充実した臨床研修が行えるよう臨機応変に整備・構築しています。

指導体制

各研修科でのローテートでは、研修医の重複や診療科の偏りがないように組み合わせ、指導医2~4名あたり研修医が1名になる教育体制にて、各診療科責任者の指示のもと指導が行われます。
上級医(専攻医)および2年次が在籍している診療科については、上級研修医が教育担当となる「屋根瓦方式」を取り入れています。

勤務時間

  • 平日: 8時30分~17時15分
  • 休日: 土曜・日曜祝日、12/30~1/3(年末年始休)
  • 夏期休暇: 3日 (6月~10月)※呼出しなしでの完全休暇が取得できます
  • 宿日直: 救急輪番日を複数回含む4回/月(日直を含む場合あり)

※ 勤務時間内の患者急変、自己研鑽のための勉強会等は上記の限りではありません。

研修評価

各研修科ローテート毎に「PG-EPOC」による自己評価・指導医評価・メディカルスタッフ評価の相対的評価を行い、 次の研修科の指導責任者およびメディカルスタッフへ評価内容が申し送られます。
評価された内容は臨床研修管理委員会で集計され、各研修医の研修進捗状況を把握し各指導責任者へ報告の上、研修医へフィードバックされます。

修了認定

集計された研修評価をもとに、年度末に開催する研修管理委員会にて協議し、 研修全課程修了を認められた者に「初期臨床研修 修了証」を交付します。

修了後の進路

出身大学の講座への医局入局をはじめ、出身地など県外の大学病院での後期研修等、研修医の意向を最大限に考慮し、プログラム責任者や指導医と相談の上、最終的な選択決定を行います。
なお、大学医局等に依らず、当院にて引き続き後期研修を希望する場合は、研修管理委員会の承認のもと「シニアレジデント」として研修を継続することができます。
(総合診療科・整形外科(予定))

ローテート

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
1年次 内科 救急・総合診療 外科 整形 外科 麻酔科
2年次 選択 脳神経 外科 小児科 産婦人 科 精神科 地域医療

病理/耳鼻科

泌尿器/放射線

選択

必修科目(W=週)

  • 1年次の4月には2wのオリエンテーションを実施
  • 内科24w、救急(総合診療科)8w、麻酔科8w、外科4w、整形外科4w、小児科4w、産婦人科4w、精神科4w、脳神経外科4w、地域医療8w、病理2w、耳鼻咽喉科2w、泌尿器科2w、放射線科2wを必修とする
  • 内科研修24wは、総合診療科4w(外来研修を含む)、残り20wを循環器内科・消化器内科・腎臓内科・
    脳神経内科・糖尿病内科から4w単位で1科最大8wの選択
  • 救急研修は総合診療科2ヵ月と、当直研修(4回/月)にて充当
  • 地域医療は大原医療センター4w(外来研修2週分を含む)、大原訪問看護ステーション・福島県立南会津病院、公立相馬総合病院・南相馬市立総合病院・福島県立宮下病院・済生会福島病院・ふくしま在宅緩和ケアクリニック・只見町朝日診療所・ほし横塚クリニック・保原中央クリニック、喜多方市地域・家庭医療センターから4wの計8w
  • 献血研修、災害研修、地域メディカルコントロール研修を適宜実施する

自由選択

  • 選択研修 は20w前後。2年次の前半と後半に実施する。下記医療機関での研修とする。  
    大原綜合病院・大原医療センター・清水病院・福島医大・福島赤十字病院

※2年間を通じて大原記念財団外での研修は計12週までとする

研修ローテートは、研修医の希望を最優先し
各研修科に研修医が偏らないよう配慮し、総合臨床研修センターで決定します

研修医の人数により基本研修科を2年次に、必修研修科を1年次に研修する場合があります。

(2019.07~適用中)